2020年3月16日(月) 晴れ、強風

 薬が効いているようだ。

 ここ数日頭がシャキッとしていて、活動できている。気力減衰も無くなった。日中は布団から起き出して自室で作業をこなし、日が暮れ出したら外出して喫茶店で本を読む。そんな生活をここ三日ほど続けられている。いま処方されている薬は、

 これに加えて、不安になったときや夜寝る前にワイパックス錠0.5mgを飲むことで、なんとかやり過ごせている。

 私の学校(東京大学)には、学生と教職員が利用できる「保健センター」という研究医療機関があり、学生は無料で医師の診察を受けることができる。かかるのは薬代の実費だけ。私の場合、月に2000円ほど。予約を取れば一週間に一度受診することができ、民間の医療機関みたいに待たされることもない。

 今回処方されたエビリファイは「非定型抗精神病薬」と呼ばれる種類の薬で、非定型抗精神病薬は主に統合失調症の治療に用いられるが、双極性障害うつ状態の改善にも効果があるとされている。いま私が診てもらっている医師は慎重な人で、初診では「適応障害」という診断。それ以上は経過観察で様子をみて判断、というスタンスらしい。前の先生はカルテに「うつ病」と書き記していたが、処方薬が双極性障害ガイドラインに沿った第一選択薬のリーマス錠だったので、抗うつ薬は勧めてこなかった。リーマス錠は採血と決められた時間間隔で薬を飲むのがつらかった。血を見ると卒倒してしまうので、採血はいつもベッドに寝かせてもらって、血を見ないように目を閉じてる間に抜いてもらっていた。なので、今回は別の薬を試せないだろうか、と医師に相談したのが地獄のはじまりだった。

 最初に提案してもらったのはオランザピン錠2.5mg。これは異様な食欲と日中起きてられないほどの眠気が出る薬で、私には合わなかった。この薬を飲んでた一週間、布団で眠っているか、外でバクバクご飯を食べているか、そのどちらかしかないという状態。次の週に出してもらったのはルーラン錠4mgで、これもキツい薬だった。飲み始めの二日は何事もなかったのだが、ある夜服薬した直後に脚がソワソワしだして、自分の意思とは独立して動き出そうとする。家に帰ってもお風呂に入ってもソワソワがおさまらず、あまりの不快感に発狂しそうになった。翌日センターの薬剤師に電話で相談したら「アカシジア」が疑われますね、と言われた。アカシジアは非定型抗精神病薬でよく見られる副作用の一種らしい。ルーランで出るようだと厳しいですね、とのことだったが、オランザピンでは出ない。

 その日のうちに別の医師の診察を手配してもらって、つなぎのオランザピン(とアカシジアを抑えるアキネトンという薬)を処方してもらった。そこでアドバイス頂いたのが、オランザピン錠2.5mgを割って半錠で服用するという方法。これだと食欲がぎりぎり我慢できるレベルにまで抑えられ、眠気も日中なんとか仕事がこなせるかな、くらい。それでいて効いてる感じもする。次の診察ではオランザピン半錠と、ベンゾジアゼピン抗不安薬メイラックスを出してもらった。メイラックス半減期が「122時間」と長く、長時間に亘って血中濃度を保っていられる薬。ゆっくり効きはじめ、頭がぼんやりする感じが一日中続く。メイラックス錠1mg単体だと効きが弱く、オランザピンと併用すると眠くて起きていられない。どうにも八方塞がりで、「そろそろ抗うつ薬を試してみますか?」と言われて、その前に最後に提案された非定型抗精神病がエビリファイである。処方箋をもってセンターの薬局に行ったら、この前相談した薬剤師さんが苦笑いしていた。曰く、エビリファイアカシジアの報告が多い部類に入る薬らしい。けれど試してみようと思ったし、実際その価値はあった。これが先週木曜日の話。

 メイラックスエビリファイを併用すると、布団から動けなかった気力減衰がなくなって、起きてるときに考え込んで、思い詰めてしまうこともなくなった。気力が湧きすぎてしまうということもなく、普通に日常生活を送れている。いまのところアカシジアも出ていない。

 ここ数日はずっと就職活動をしていた。新たに十社ほどプレエントリーして、メールで送られてきたマイページの登録を一つずつこなして、ESの提出締め切りや適性検査の受験締め切り日を就活手帳に書き写していく。就活手帳といえば、ES対策本と一緒に土曜日に買いに行くことができた。これも大きな前進。今週は二社ESの提出をして、SPI3テストセンターの問題集→玉手箱の問題集という順番で適性検査対策をしていく予定。そして、瑠花ちゃんの出演する舞台『イディア』を観に行く。

 追い風が吹いている。無理せず全部、ゆっくり着実にこなしていくぞ…!