Aについて

 元恋人の写真をPCのデスクトップ背景に設定している、と書いたらギョッとされるだろうか。いまも未練たらたらというわけではないし、性的な写真でもない(※元恋人との間で撮った写真で、性的なものは一枚もありません)。でも、元恋人・Aの顔を見ていると心が落ち着くのである。ワイパックス錠0.5mgを1錠飲んだときに似た鎮静作用がある。

 写真は、2017年3月14日に撮ったRAWから、2枚選んだもの。一つは遠くからこちらを振り返って興味なさそうにツンとしているちょっと不機嫌な顔。もう一つはアップでこちらを見て笑っている顔。

 私はAが笑ったときに、顔がクシャッとなる感じが好きだった。本人はコンプレックスだったそうだけど、「破顔する」という表現がしっくりくる。その笑顔を写真で見ていると、私はAのことが好きだったのだなあ、という感慨が湧いてくる。写真を撮ったときにAが「笑かさんといてください」と言った声のトーンまで、昨日のことのように覚えている。私は好きになった人の顔を好きになる。だから、Aの顔がとても好きだった。不機嫌な顔をみると愛おしくなるし、笑ってる顔をみると心がやすらぐ。私にとってAはそういう恋人だった。

 私はAのことを未だ引きずっているけど、あなたがそれ以上に苦しんだことも知っています。

 

 新しい人と幸せになって欲しいと思う。

 

 色々と思う所はあるけれど、今言えることはそれだけかな。Aについてはまた改めてちゃんと書きたいと思う。忘れることではなくて、書くことで過去を乗り越えていく。パックリと開いた傷口を縫い合わせて、かさぶたにするために書く。もう大丈夫なのだと。思い出しても打ちのめされないと。でも写真だけはどうしても消すことができなかった。ごめんなさい。私が撮ったあなたの写真は最高に可愛くて、素敵だった。ただ、それを伝えることができなかったことを、いまもずっと悔やんでいます。メンタルが落ち込んでいるときに時々見返してしまうことを、どうか許してください。

 

 

(※本人の同意なく第三者に見せたり、ネットにアップロードしたり、公開することは一切ありません。為念)